2021年3月13日(金)に、都心型オープンイノベーション拠点「Xport」主催、ネットワーキングプログラム 「大阪・関西圏のスタートアップの動向(2020年冬版)」が開催されました。(オンライン・オフライン両開催)
本イベントは、都心型オープンイノベーション拠点「Xport」主催の元、NPO法人生態会の実施するスタートアップに関する調査の紹介やスタートアップからのプレゼン等を通じて、新型コロナウイルス感染症の再拡大にともない経済活動が再び停滞する中においても、継続的に活動する「スタートアップ」に着目し、大阪・関西圏のスタートアップの動向を把握し、今後の成長戦略について考察するという目的で開催されました。
また、イベント後半にはパネルディスカッションが開催され、Xport 副会長松井 謙二氏より講師の皆様へスタートアップ人材の育成についての質疑が行われました。
本レポートは、前半と後半の二部に分かれております。
レポート : 富田 彩葉(生態会 学生ボランティア)
第一部では、西山 裕子(NPO法人生態会事務局長)による「関西スタートアップレポート第5号発刊報告:426社のスタートアップから見える、伸びる3つの分野」についての講義が20分ほど行われました。
生態会の「ビジョン・アクション・モットー」の紹介を始めとして、年4回発行するスタートアップレポートの第5号発刊報告をしました。
支援が足りていない中間層のスタートアップを支援
関西には大学が多く、技術や知識も豊富であるのにも関わらず、スタートアップが関東に出て行ってしまうという現状があります。また、本気で起業に踏み出した中間層(企業規模1名〜50名)への支援組織などが少なく、手薄であると認識しています。生態会では、関西の起業の全体像を理解・調査し、スタートアップが適切に資源を獲得できる環境を構築しています。
私自身、武庫川女子大学の授業の一環で事務局長である西山さんの講演をお聞きし、生態会ボランティアへの参加を決めました。今日の講義で改めて関西のスタートアップの現状や、生態会の役割についてお聞きし、「関西には起業するのに十分な技術があること」「スタートアップへの支援が足りていないこと」といった良い点と問題点について改めて学びました。その中で、関西で起業する人が少ないという問題点を脱却するべくスタートアップ支援を行い、そしてその結果関西での起業家が増えてきているという現状から、生態会の活動の重要性を改めて感じました。
関西スタートアップレポートVol.5発刊報告
コロナウイルスの影響で昨年18社の新規上場の計画が中止になりましたが、6月以降再開され、リーマンショック以降最多の93社が上場しました。関西圏に限ると、大阪14社、滋賀1社の計15社が上場。大学ファンドにおいては、「神戸大学、大阪大学、京都大学」の3つのファンドができたため、次号でインタビューを行う予定です。コロナ禍では、「オンラインコミュニケーション」「巣ごもり需要」「SDGs」が伸びています。
コロナ禍で需要が伸びてきている「オンラインコミュニケーション」「巣ごもり需要」「SDGs」ですが、私自身も学校などで耳にすることはありましたが、実際に詳しくは知りませんでした。社会の情勢と共に需要も変わってくるので、社会情勢にしっかりと目を向けていこうと感じました。
_______________________________________
第二部では、さくらインターネット株式会社 代表取締役社長 であり、NPO法人生態会 理事 田中 邦裕氏による「コロナ禍におけるスタートアップの戦い、関西起業家への期待」についての講義が20分ほど行われました。企業理念を始めとして、関西の現状、スタートアップとの関わり方について講義していただきました。
スタートアップと関わることが重要
さくらインターネット株式会社は、「市場4番目に若い創業者」として上場されましたが、2007年からの売り上げの低迷により、長い間他社との関わりを絶っていたそうです。しかし田中社長は、2012年頃から社外との関わりを持つことで「成長しなければならない」という感覚を持たれました。保守的になる中で、自身の成長を改めて意識し始め、2013年頃から関西のスタートアップとの関わりを再び持つことで会社が急成長しました。スタートアップと会社がどう繋がるかが重要と気づかれたそうです。
最近の関西では何が起こっているのか
「経営者・イノベーション部門・現場」において、近年エコシステムができあがってきており、「経営者とスタートアップ」「イノベーション部門とスタートアップ」の繋がりが出来上がってきましたが、「現場とスタートアップ」の繋がりは未だ出来上がっていません。しかしここ1年の、特にコロナ禍で期待されるのが「現場とスタートアップ」の関わりです。これは、スタートアップだけでなく大手企業側の風土が変わるきっかけとなります。企業は「スタートアップ」を目指すのか、「SMB(スモールトゥミディアムビジネス)」を目指すのかを明確にする必要があると、田中社長は語りました。
スタートアップ側の期待
最も期待されるスタートアップへの支援は「お金」です。お金の入り口は、5つあります。「増資・融資・助成金や補助金」は一般的ですが、あと2つあります。1つ目は、企業側が事務所を提供するなど、スタートアップ運営コストを減らすこと、2つ目はスタートアップの商品やサービスを買うなど売り上げを作ることです。生態会の関西スタートアップレポートで、支援できそうな会社を探していただくことが出来ます。スタートアップは売り上げが伸び、大手企業は組織の成長につながると考えると、田中社長は語りました。
講義を聞いて、スタートアップと繫ることは大手企業にとってもとても重要なことであり、組織の成長に繫るということが分かりました。私は「スタートアップにとっての利益」という目線で今まで様々な話を聞いていましたが、広い視点で物事を捉えることの重要性について学ぶことが出来ました。
_______________________________________
第三部はスタートアップの登壇、第四部はパネルディスカッションでした。レポート後編でご紹介します。
生態会では、今後も毎月、スタートアップに役立つセミナーを開催していきます。
セミナー情報は「生態会 Peatixページ」で公開しています。どうぞフォローお願いします!
Commentaires