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執筆者の写真田代蒼馬

コロナで加速した無人化店舗の運営支援!シェアオフィス管理のニーズから生まれたSaaSスタートアップ:fixU

関西スタートアップレポートで紹介している注目の起業家たち。今回は、無人化店舗の運営支援を行うSaaSを開発・提供している、株式会社fixU (フィックスユー)代表取締役 山岡源さん にお話を伺いました。


取材・レポート:西山 裕子 (生態会事務局)

田代 蒼馬   (ライター)


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山岡源(やまおか げん)氏 略歴:1996年奈良生まれ。学生時代から、コワーキングスペースWAY OUT(神戸)の運営責任者としてオンライン・オフライン集客、無人化に従事。大学卒業後、同WAYOUTの運営会社であるone knot trades株式会社に入社。無人化支援サービスを新規事業として立ち上げ、同社からスピンアウトして当社を設立。

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生態会 田代(以下、田代): 本日はよろしくお願いします。 まずは、事業内容を教えてください。 fixU 山岡(以下、山岡): 店舗スペース無人化に特化したSaaSを、実店舗運営者に提供しています。コワーキングスペースやシェアオフィス、フィットネス、サウナ施設に対して、サービスを提供しています。最近では、行政・自治体にもサービスを導入していただいております。 店舗運営をされている方は、店舗管理や顧客登録、入退店から売り上げ管理まで、様々な業務に対応する必要があります。繁盛するほど指数関数的に増えるこの業務に対して、エクセルシートに記入する等、まだまだアナログに対応されている方が多いのが現状です。

弊社のサービスは、そういった店舗運営に関する業務のデジタル化・一括管理を可能にし、業務を効率化することができます。

一括で情報を管理できる点は、大きな魅力だ

こちらは、店舗向けの管理画面です。画面を確認していただくことで、入退店時間や経過時、利用料金等の情報をダッシュボードで一括管理することができます。コワーキング施設の場合、ドロップイン利用に対する料金設定ができたりと、店舗様に応じて柔軟にカスタマイズしていただくことが可能です。

田代: 対象となる店舗様は、完全に無人での運営を達成されているのでしょうか。 山岡: お客様の3割が完全無人化、7割が「省人化」です。 「省人化」に関しては、日中のみスタッフが来てコミュニケーションを取られ、その他の時間は、弊社のサービスを活用していただくことで無人で店舗運営をされる形です。 田代: お客様ごとにカスタマイズできる点は、素晴らしいですね。


学生時代から「店舗無人化」に携わる


fixU 代表取締役 山岡氏

田代: どういった経緯でアイデアを思いつき、起業に至ったのでしょうか?

山岡: 学生時代、コワーキング施設・WAY OUT(神戸)の運営責任者として、委託業務を請け負っていました。

受付に座っていると、受付対応しかする業務はなく、暇な時間が多いことに気がつきました。他にすることがあまりなかったので、この業務自体を自動化できないかと考え、スマートロックと連携させることで入退店を管理できるサービスを作りました。 当時並行して就職活動も進めていましたが、この「店舗無人化」の事業が楽しくなり、WAY OUTに入社しました。入社後も店舗無人化を図るための実証実験を継続して行い、最終的にはスピンアウトする形で独立した、というのが起業までの経緯です。

田代: 学生時代に、「店舗の無人化」を行うのは難度の高い話に聞こえるのですが、当時そういった研究等に従事されていたのでしょうか。 山岡: 理工学部ですので、基本的な知見はありました。ですが、どういった技術をどう用いて店舗の無人化を可能にするかの知識は、エンジニアでない私は持っていませんでした。そこで、一緒に会社を立ち上げたメンバーでもある、CTO鶴・COO河原と取り組んできました。特に技術面に関しては、エンジニア歴が長く、ビッグデータの取り扱いに長けているCTO鶴が中心になって、サービスを開発してきました。


事業の独自性


田代: その他にも、煩雑業務を一括で管理するSaaSは存在すると思うのですが、貴社の強み・独自性を教えていただけますでしょうか。 山岡:各業務を一括で管理できるのが、弊社の強みだと考えています。


その他ツールと、強固なネットワークを保有している

例えば、「店舗管理から顧客登録まで」「予約の自動化」といったように、店舗運営に携わる業務の一部しかカバーできていないサービスが多いのが現状です。各業務に効率化するツールは存在するが、一括で管理できるサービスはまだまだ少ないです。 弊社のサービスはそこを一気通貫で管理ができるので、お客様から良いフィードバックを頂けております。 防犯カメラやスマートロック、顔認証といったハードウェア、そして決済サービスやコミュニケーションツールをはじめとしたソフトウェアの両面で強固な連携があるため、ワンツールでお客様の課題を解決することが可能になっています。

店舗利用者に対するサービスを提供

こちら、施設をご利用されるお客様向けの画面になります。 店舗到着してチェックインのボタンを押すと それでドアが開きAppleWatchやスマホに読み込み、施設へ入ることができます。店舗だけでなく、店舗を利用するお客様に対しても、店舗体験をスムーズにするためのサービスを提供しています。

先ほども申し上げましたが、こうしたハード・ソフトの両方からアプローチできているのは、弊社の強みですね。

今後の方針

大阪オフィスでの一枚

田代: 今後の展望をお聞きしてもよろしいでしょうか。

山岡: 対象となる業種を増やしていきたいと思っています。コワーキング施設をターゲットにサービスを提供し始めましたが、フィットネスやサウナ等、新たな業種へもサービスを拡大しています。

入退店が頻繁で管理項目が多いコワーキング施設から始めたことで、他の業種に対してもマッチした、使いやすいサービスを提供できる自信があります。 最近では本屋とカフェが併設した施設等、そういった 新業態の施設にもマッチできるような、カスタマイズ性の高いサービスにしていきたいですね。

田代: 本日はどうもありがとうございました!


 

取材を終えて:「入退室管理」「予約管理」といった実店舗運営者によって必要なシステムが独立するのではなく、1つのSaaSとしてまとめて提供されているところに、事業の独自性を感じました。また最近流行りのサウナ施設等、顧客の業種の幅も拡大しており、それに応じて内部のシステムを変化させている柔軟性は、当社の強みだ。学生時代の「こうなったらいい」というアイデアを力強く実行してきた当社の今後の成長には、目が離せませんない。(生態会田代蒼馬)


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