top of page
執筆者の写真森令子

手軽な24時間ジム「LifeFit」を全国展開!フィットネス×ITで学生起業から急成長:FiT

関西スタートアップレポートで紹介している注目の起業家たち。今回は、株式会社FiTの代表取締役 加藤恵多氏に話を伺いました。同社は「暮らしにフィットネスを」をミッションに、次世代型フィットネスジム「LifeFit」、フィットネスジム向けアプリ開発などの事業を展開しています。

取材・レポート:垣端たくみ(生態会事務局)、森令子(ライター)



 

加藤 恵多(かとう けいた)氏 略歴

1999年愛知県生まれ。京都大学医学部 人間健康科学科 総合医療科学専攻卒。iPS細胞による病気治療を研究したいと京大医学部入学、体育会ラグビー部で筋トレの魅力にはまる。在学中の2020年に、個人事業主として完全DIYでパーソナルジムを開業、その後、法人設立。2021年夏にスタートアップとして拡大を決意し、次世代型フィットネスジム「LifeFit (ライフフィット) 」を立ち上げる。


日本のフィットネス業界の課題を“フィットネス×IT”で

解決。通いやすく継続できるジムを全国に広めたい!


生態会 森(以下、森):本日はありがとうございます。Fit社の事業について教えてください。


Fit 加藤 恵多氏(以下、加藤氏):次世代型フィットネスジム「LifeFit」を全国に展開、2024年5月現在、FCと直営併せて全国50店舗を超えました。フィットネスジム向けアプリも自社開発しており、“フィットネス×IT”の分野で、「暮らしにフィットネスを」をミッションに事業展開しています。


健康のために、運動習慣は欠かせません。しかし、日本のフィットネス業界は、高額な会費、面倒な契約や登録、通いにくい立地など長年の課題を解決できず厳しい状況にあります。これは、日本人がフィットネスジムに通う機会、運動する機会を損失してきたということです。


この状況を解決するために、「LifeFit」は、通いやすく継続できるジムを追求しています。業界最安水準の月額2,980円で24時間利用可能、通い放題という低価格はもちろん、専用アプリ「LifeFit」、トレーニングマシンのラインナップ、メンテナンスなどサービスの質にもこだわっており、初心者から中上級者まで満足できるハイクオリティなジム空間を実現しています。


アプリで気軽に利用できて、質の高い運動ができるジムを実現


森:確かに、従来のジムとは価格も手続きも全然異なりますね。専用アプリとはどのようなものですか?


加藤氏:専用アプリ「LifeFit」があれば、ジム入会から入退室まで全ての手続きが完結します。入会登録にかかる時間は約1分、退会もアプリのチケットページからボタン一つで完了するなど、気軽にご利用いただけるよう徹底的にこだわっています。


日本のフィットネスジム業界には、自社でアプリ開発ができるような、ITに強い企業がありませんでした。私たちはフィットネスに特化したIT企業として、ビジネスモデルから構築し直し、低価格帯で良質なジムを実現しています。


森:すべてアプリで簡単にできるとは、とても便利ですね。短期間で店舗数を増加していますが、なにか秘訣があるのでしょうか?


加藤氏:2024年末には300店舗を達成し、将来的には業界No.1の店舗数に成長したいと考えており、急拡大にはFC店舗の増加が欠かせません。直営店舗も運営していますが、店舗の8割はFC加盟店です。


FCオーナー向けサービスには注力しています。設備投資などを抑え、初期費用は低額に設定しており、アプリをはじめITを活用することで、店舗運営から顧客管理まで、従来のジムに比べ、徹底した低負担を実現しています。データを活用した会員集客、商圏分析や出店物件の選定、トレーニングマシン設置など、継続的なサポートを提供しており、専任スタッフが全国を駆け回っています。FCオーナーには、飲食業や不動産業、塾経営など他の事業をしている地元企業さんが多いですね。


「LifeFit」のようなセルフトレーニング型ジムには、業界大手として「エニタイムフィットネス」や「chocozap」などがありますが、ターゲット層やビジネスモデルなど、戦略はそれぞれ異なると考えています。「LifeFit」では、使いやすさ、続けやすさなどのバランスを最適にするべく、日々、細かな改善を続けています。ITを活用し、利益を最大化できるビジネスモデルを実現することで、FC加盟店を増やしていく計画です。


垣端がリアルで、森がオンラインで取材しました。


運動により人々の生活を豊かに!筋トレ愛から事業を設立


森:事業を始めたきっかけを教えてください。


加藤氏:体重50キロ台と貧弱だった自分が、京大で体育会ラグビー部に入り、筋トレで鍛えたことで、体重80キロのラガーマンになりました。筋トレの魅力にはまり、コロナ禍で時間ができた時に、パーソナルジムを自作することにしました。その小さな自作ジムの運営で、どうすれば人が来てくれるかなど工夫するうちに、日本のフィットネス業界の課題が見えてきて、非常に興味を持ちました。

学生時代に運営していたパーソナルジム。内装や外装をDYIし、マシンなども自分達で組み立てた。

 運動で人生が豊かになった自分の体験から、「フィットネスを“民主化”し多くの方の健康に貢献したい」と思ったこと、フィットネス業界が成長性があり変化が早く面白いビジネスであること、そして、何よりも筋トレや運動が大好きなこともあり、事業として本気で取り組むことを決意し、サービスを立ち上げたのです。


フィットネス業界でビジネスをやり続けるというのは、私の決意であり、当社のミッションにも繋がっています。このミッションに共感するメンバーを、数多く採用することができ、現在は、チームで一体感を持って事業拡大できていると思います。


森:自作のジムが全ての始まりとは、なんとも興味深いお話ですね。今後の事業展開について教えてください。


加藤氏:今後は最短で3年後に向けて、IPOを目指しています。これまでにシード(2021年)、プレシリーズA(2022年、約1.2億円)シリーズA(2023年、約6億円)と、3回の資金調達をしてきました。投資家の皆様には、事業が着実に進捗していると評価いただけています。


フィットネス事業は1店舗ずつリアルなジムを作るため、成長に時間がかかります。IPOに向けて、リアルなジム空間に加え、オンラインでの展開も進めていきます。業界上位の店舗数を目指しつつ、フィットネス関連のオンラインサービスについて幅広く検討中です。


フィットネス業界は、やるほどに見えてくる面白さがあります。マーケットを良く見て、事業を絶え間なくアップデートし、業界を変革し、多くの方の健康に貢献していきたいですね。

生態会垣端と加藤氏のツーショット
写真左:生態会事務局 垣端、写真右:加藤氏
 

取材を終えて

”ジムを作ってみたい”という好奇心から始まり、わずか3年で全国展開のビジネスに成長されたという驚きのストーリーでした。”ブームで終わらせずに、フィットネス文化を根付かせたい”と加藤さんがおっしゃっていましたが、日本人の運動習慣を変えることを目指す大きなビジョンを、ぜひ実現してほしいです。3年後のIPOを目指すという明確なプランもお聞きし、期待が高まりました。(事務局 垣端たくみ)



コメント


bottom of page